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高速道路先進国といわれるドイツと比較しながら、日本の計画を考えてみる。
ドイツは世界でも最も高速道路網が発達した国のひとつである。 一九三四年から一九三九年にアウトバーン約三〇〇〇キロメートルを建設し、計画規模は六三〇〇キロメートルであった。
戦後は国土を分割されたものの、旧西ドイツにおいては一九六〇年から一九七〇年代に高速道路網の重点整備が進み、一九七〇年に策定された一万五〇〇〇キロメートルの計画に対し現在約九〇〇〇キロメートル、六〇%の計画達成となった。 この結果旧西ドイツには人口一〇万以上の都市が六九(一九七八年)あるが、一九八一年の時点でその九五・七%にあたる六六都市を高速道路が通過している(人口では九八・五%)。
また、高速道路の交通分担率も高く、全道路延長の一・七%が高速道路であり、アメリ力の二%を大きく上回っている。 しかも、アウトバーンは国の一般歳出により建設され、無料である。
実はドイツでは、高速道路をめぐって、かなり深刻な議論が続いているという。 それは第一に、環境問題に関連して、高速道路の建設や利用が自然環境破壊や大気汚染につながるというものである。

第二に、合併により新たに整備の必要が生じた旧東ドイツでの高速道路建設などに関連して、建設や維持管理費に充てるため、高速道路を有料化すべきとの議論が起こっていることである。 そして、第三に、スピード制限のない高速道路での死亡事故が絶えないことから、スピード制限を設けるべきとの検討が行われていることである。
これらは、ドイツの高速道路を特徴づけていた事柄にかかわるかなり本質的な議論といえる。 その意味では、ドイツにもひとつの転機が訪れつつあるといえよう。
ただし、すでにドイツでは高速道路は国民の気軽な足として、極めて高い公共性をもっている。 実際、突出した大都市をもたないドイツでは都市間のスムースな往き来は業務活動や個人生活においてことのほか重要性をもち、高速道路ネットワークの果たしている役割は大きい。
しかも、ドイツでは高速道路を単に走行路として使うだけでなく、ある期間通行ストップして自動車レースを行ったり(高速道路脇にはレース観戦用のスタンドまで常設されている)、高速道路の上部空間にアパートを建設したりして、高速道路が市民生活の中に多面的に溶け込んでいる。

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